アート

第十二回 湊文庫開港 / 樋口裕一

2010.10.22  by

十月十六日、湊文庫がようやくお披露目開館となりました。

三國湊の歴史、記憶、想いなどが詰まった空間になりました。

湊情緒ある空間で三国の資料や本をはじめとした湊にまつわる本と出会える場所として、湊文庫はようやく船出を果たしたというところです。

関係各位の方々をおまねきしてのオープニングの様子。ざわざわ。あれ?つくった本人がいない。二階でパフォーマンスの準備中でした。集中するためにストレッチしたり頭から水をかぶったりしていました。波の中にいるように瞑想。

三國湊魅力づくりプロジェクトの副理事長でありこのガレージのオーナーである大和久米登さんのご挨拶。地域でこの空間を育てて行けますように。

たこ踊り?くらげ踊り?実演中。磯の香りを振りまいて。

たこ踊り終了後の湊文庫のプレゼンテーション。なぜかこの写真だとまだタコ踊りをしているかのよう。

町の持っている歴史的な文脈を受けとめた上で新しいものを築いていくということを今回実感することができました。

 

以下、湊文庫のチラシに書いた制作を終えての感想の文章。

「町の歴史に触れ、人に触れ、風土に触れるなかで、引き寄せられるように何度も波止場や波打ち際に足を運びました。そこで詩人、文人、それと名も無い人々の 知られざる声を寄せては返す波の中に聴きながら、三国に潜在している水辺の文学都市としての断片的な記憶の欠片を、沈没船を引き揚げるように、陽の目を浴 びるところへ晒したいという思いが募りました。僕は三国の土や木や縄などを拾い集め、ばらばらの欠片とひとつひとつ向き合いながら、土を水と練り、藁や砂 と混ぜ練り、塗ったり、削ったりを積み重ね三国の素材を壁として立ち上げようとしました。はじめはそのように一枚の壁をつくる計画から始まって、それが部 屋になり、やがて運用する施設になりました。その変遷は三国湊の声に導かれた結果なのだと思います。芸術は際限ない探求であり業の深いものでありますが、 それを個人の表現活動の枠を超えてい地域コミュニティーに開かれたかたちで提供できたことはこれから一生ものづくりをやっていくだろう自分にとって大きな 収穫でありました。自分を受け入れて下さった懐の深い町に感謝し、この経験をこれからの糧としたいと思います。」

 

理事長の西澤弘之さんのお話。点を線に繋げていけますように。

 

さて、オープンなんです。

ざざ~~ん。ざざ~~~~~~~ん。

三国湊のかけらを集めて、生まれた空間です。まだ産毛も生え揃わぬ赤ん坊でございます。僕はあくまで一介の助産婦であり、母体は三國なのであります。できたあとは三国に還させていただきますので、どうぞ幾久しくよろしくお願いいたします。

早速オープンして数日で本が倍増しました!寄贈してくださった皆様ありがとうございます!それでもまだまだ本棚はガラガラであります。蔵に眠っている本がありましたらぜひともこの場所に三国の力を結集させてみませんか?三国には数多くのNPOや三国の文化を研究する団体があります。しかしその各団体のすばらしい成果をまとめた本は数多くあれどそれに出合える窓口が開かれたかたちで用意されていないという話もお伺いしております。誰でも気軽に立ち寄れる湊文庫に、ぜひご寄贈くださりませんか?

さて、湊文庫に取材がきたりしております。日刊県民福井さんと福井新聞さん。

 

大きく紙面を割いてすばらしい文章とともに湊文庫をご紹介していただきありがたい限りです。取材をうける経験は初めてでしたが記者さんはさすが聞き上手というか、痒いところに手が届くというか、さまざまな角度からうまい具合に聞き出してくださるので、話してて自分でも気づかされることがあり、とても実りのある取材でありました。

つい先日は毎日新聞さんも来てくださいました。福井テレビさんは製作中と完成後の二度に渡りお越しくださいまして来週放送予定だと伺っています。メディアの反響は大きく新聞みてきたよーといってくださる方々がよく見えられます。

さて尻切れトンボではございますがオープンしてからの様子につきましてはまた後日改めて書かせていただきます。

しかし次更新するのは横浜からでしょうか。

僕は月曜日の二十五日の晩に横浜へ帰るのであります。

土曜日と日曜日は湊文庫に居たり居なかったり、ちょくちょく顔をだす予定です。

さまざまな想いがあります。

それは次回、次々回の日記で。

日々めまぐるしくさまざまなことがおこります。

不定期な更新ではありますがいましばらくこの日記におつきあいいただけますと幸いです。

湊文学の世界へようこそ。
世界は海で繋がっている。
湊は世界への窓口となり、
本は帆船を導く波であり風であり….

良き船旅を。

湊文学の世界へようこそ。
世界は海で繋がっている。
湊は世界への窓口となり、
本は帆船を導く波であり風であり….

良き船旅を!

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