三国湊座プレビュー公演「プロローグ 座長への手紙」
2005.11.10 by mikuni.minato
仮オープンをした、三國湊座での芝居プレビュー公演です。 作・演出には、地元三国の作家松村典尚、そして今回舞台出演が初めての、魚志楼茶屋ご主人松崎至孝による一人芝居を行いました。
あらすじ
地方巡業をしている或る劇団が、今年も三国にやって来た。 その劇団の座長のもとに、数時間前、一人の男が訪れた。 無愛想で、怒っているかのような、そんな感じの男が渡したのは、一通の手紙。 それはその男の娘から座長へのファンレターだった。
三國湊座プレビュー公演「プロローグ 座長への手紙」 松村典尚 作/演出 松崎至孝 出演
2005年11月3日(木・祝) 19:00開場 20:00開演
入場:無料 会場:三國湊座
制作:三國湊座
■松村典尚: S46年三国生まれ。三国高校を卒業後、京都教育大学・國學院大學を卒業。その後、フリーターを経て現在に至る。 平成十七年度三国町民文化祭参加の『秋の風鈴(風鈴)』脚本執筆等。
■松崎至孝 :S24年三国生まれ。料理茶屋「魚志楼」の主人。本公演が初舞台。
レポート
三國湊座プレオープンを記念してのプレビュー公演を行いました。 脚本は、三國在住の脚本作家松村典尚氏。 出演は、本公演が初演の、三國茶屋「魚志楼」のご主人松崎至孝氏。
芝居は、ある劇団の座長の元へ届いた手紙を、座長が朗読するという一人芝居。 座長からその手紙の主への返信は、ご来場頂いたお客様皆様に最後に手紙でお渡しし、家で読んでもらうという演出となりました。 客席が足らず、急遽2階ロフトに桟敷を設けるなどと、大盛況の演目となりました。 ご来場下さいました皆様、どうもありがとうございました。(写真:稽古中の松崎氏)
トピックス:ナレーションテキストより
北前船の湊町として賑わっていた三国の町。かつて、この町には、みなと座などの芝居小屋がありました。この芝居小屋は、芝居だけをする場所ではなく、映画 を上映したり、音楽の発表会や、三国に鉄道が開通した際には、みなと座で、セレモニーが開かれたりもする、そんな場所でした。設備としては、回り舞台や花 道、桟敷などもありました。また、梁には千石船の帆柱が使われていたそうで、湊町にふさわしい、或る意味贅沢な劇場だったと言えるでしょう。 明治二十一年のみなと座改修の際には、板東太郎や尾上多見太郎などの役者が訪れて、千代萩の御殿や累《かさね》の土橋などが演じられた、との記録もあ り、近年まで、今は無きこの三国の劇場では、金色夜叉や国定忠治などの親しみ深い芝居も含め、様々な演劇が上演されていたそうです。 そして、今から上演するのは、三国のみなと座という劇場がその舞台です。しかし、この劇中の三国は、今私たちがいるこの三国ではなく、全く別の三国であり、みなと座という劇場も別の三国の別のみなと座です。これはそんなみなと座の、楽屋での話。
福井新聞に掲載されました。