第1回森の勉強会「白山信仰と雄島と森の関わり」

カテゴリー:みどリレー通信, 勉強会

2009.08.04

縄文時代のおもり、弥生の石器、流れ着いた椰子の実、刀、弓、掛け軸、書、・・・ずらりと並べられた「なんでも鑑定断」にでてきそうなお宝に囲まれて始まったお話。

026

中央に丸い穴が開いた5センチほどの石を手に取り、「これは縄文前期のおもりと言われていますが、もしかしたら紡ぎに使った石かもしれない。」「この土器は縄文から弥生の移り変わりの時期のものと言われています。時代というものは縄文から弥生に急に変化したのではなく、少しづつ徐々に移り変わっていったのでしょうね」  博物館に陳列され、説明文を読んで時代を包丁で切ったように分類し、説明をそのまま信じるよりも。「1つの石に謎がある」想像してみよう、そんな言葉から松村先生のワールドへ誘い込まれました。

雄島に流れ着いた椰子の実。福井では取れない椰子の実が流れてきたことから、北に行く海流を古代人は知っていたのではないか?!その流れから雄島のルーツをたどると、どうも朝鮮にたどり着くのではないか。「日本の歴史を見ると継体天皇以前は歴史が空白なんですよ」、と見せてくれた書物。墨で描かれた初期の年表は空き空きで歴史の記載がほとんどない。

継体天皇といえば、小学校の社会で習った歴史上の人物。「福井出身の継体天皇は氾濫の多い九頭竜川を工事により治め福井の人々に感謝されていた。後に、都の天皇相続人として呼び戻され天皇に即位された、福井出身の天皇です」福井ではたぶん誰もが知っている英雄的扱いで有名人。

5世紀朝鮮の百済・高句麗が国として廃れ、命が危うくなった古代朝鮮の人々が逃れた先が日本海地域の日本で、この人々が稲作に適した地域を治めて社会を作り、権力を握って日本の礎を作っていく。その中心となり、勢力を広げていったのが朝廷を名乗る集団で、リーダーが継体天皇ではないか。当時は貨幣社会ではなく、稲作文化。米作りをすることで今で言う田舎から都会の方向に向けて文化が広がっていった。米を作るのには稲作に適した土地と鉄が必要だった。坂井平野・越前平野は米作りに適し、日野川では砂鉄が取れ今でも武生は鉄器の盛んな地域として残っている。お米の文化として先祖を御祀して豊作を祈願する。御祀に必要だったのが薄絹、天蚕の飼育。蚕の飼育と稲作に適した土地を求めて九頭竜川の源流、白山方面を目指してさかのぼっていったのではないか。実際、大湊神社と関係が深い村として、九頭竜湖の上流に桑島という地域が残っているという。

日本の歴史を学校の教科書では奈良・京都を中心に政治や文化が広がっていったと学校では習ったのだけれど、日本海側から、雄島から広がる歴史を見ていくと違った日本地図が見えてきました。

雄島近くの観光の名所東尋坊。昔話では永平寺の「東尋坊」という暴れ者のお坊さんが仲間に崖から落とされたことからついた地名と言い伝えられていますが。大湊神社の古文書の地名には「唐仁防」とありました。大陸からの侵入を防ぐ場所だった、といえばあの崖は確かに納得の地名です。ちなみに永平寺は禅宗・曹洞宗の総本山。山奥での厳しい修行を行う場として選ばれたと思っていましたが。雄島から九頭竜川を登っていって永平寺を通って長良川に出ると太平洋の愛知・常滑地方に出る最短ルートが昔はあったとか。越前焼きと常滑焼は似ているでしょう、と言われるとそういえば!と納得。あの土管の土感と越前焼は確かに似ています。愛知から福井に来たばかりの相棒と先祖同志ではつながっているのでは!?となんだか親近感がふくれあがってうれしくなったり。永平寺は山奥に設置されたのではなく、昔は交通の要でいろんな情報が集まってくる場所だったから道元が選んだのか、と新しい発見でした。

032

東尋坊の横には福井藩の馬の牧場があって、そこに狼がやってきて松村先生のおじいさんが刀で狼を追い払った、という報告の文書やら。梶浦の洞窟から鹿の骨で作られた釣り針が発見されたことやら。椎・樫・ブナの照葉樹林で鹿や狼など大型の哺乳類がたくさんいた地域であったんだよ、ってお話を聞いていると・・・.。森に囲まれたmicnicの喫茶店の窓からヒョイと鹿が覗いているような、狼の遠吠えが聞こえてきそうな気がします。  「この辺の森は今みたいに道路があってここから森と境界線がはっきりしていたのではなく、民家、人の手の入った里山、手付かずの動物のすむ森(奥山・原生林)というふうに段階を経て徐々に森が深くなっていったのでしょうね」  雄島から見えてくる世界と日本の関わり、私たちのルーツを探る歴史、動物と森と人との関わり。今目に見えているものをそのまま信じるのではなく、過去を想像して、今を見て、未来へのつながりを感じる面白さ。歴史をこんな身近に感じたのは初めての経験で、タイムスリップしてきたような錯覚の2時間でした。

松村先生、お話と貴重な資料をありがとうございました。お忙しい中、参加頂いた皆さまありがとうざいました。2時間という時間では足りないくらいの内容で、また機会を作って続きのお話を聞かせていただきたいです。

056

はじまりました!
募集中!
枯れ松伐倒

ただいま
353

カレンダー

みどリレー
活動スケジュール

フィールドマップ

Field Map

ニノサクじいちゃんの森

ワッキの森

ナミィの森

PICK-UP!!

    当事業およびこのウェブサイトは地球環境基金の助成を受けています!

MENU

HOME

みどリレーについて

三国の森と
サックリの森づくり

松枯れについて

みどリレーからの

お知らせ

通信

森づくり どなたでも参加できます!

森の健康診断

森づくりプラン

森をつくる人になろう

三国湊で活躍しませんか!

ワークキャンプ

今月のみどリレー
(月1回週末の森づくり)

平日のみどリレー
(不定期で森づくり)

勉強会

イベント・シンポジウム

調査研究

お問い合せ

年度別
2010年度の活動[予定]
2009年度の活動
2008年度の活動
2007年度の活動