環境シンポジウム in 豊田
早いものでもう2月です。 冷たい風吹く1日に 愛知県豊田市で下記に参加してきました。
■環境シンポジウム in 豊田 ―菜の花でつなげよう!森・農・川・ふるさとまちづくり in 豊田
■日時:平成21年2月1日(日)
■会場:トヨタスタジアム
■主催:持続可能な流域環境シンポジウム実行委員会
■共催:東海バイオマス発見活用協議会 「流域はひとつ、運命共同体」。
今や「流域圏」「森・川・海」等の言葉とともに 広く周知されるようになった「流域」の考え方ですが 40年以上前に、上のスローガンを打ち出したのが矢作川でした。
今回、そんな流域先進地・矢作川流域にて 様々な団体が集まりシンポジウムが開催されました。
どんな団体がきてたかというと 矢作川水系森林ボランティア協議会(矢森協) 矢作川水系漁業協同組合連合会 NPO法人豊田・加茂菜の花プロジェクト 田原市環境部エコエネ推進部 豊田スタジアム(株) とよたエコ人プロジェクト 等など。
なかでも興味深かったのが 矢森協の丹羽健司(ニワケン)さんの話。
ニワケンさんたちが立ち上げ 今や全国に広がっている活動に 「森の健康診断」というのがあります。
そもそもの始まりは、2000年の恵南豪雨でした。 あと1時間雨が降り続ければ、 トヨタ自動車を中心とした工業地帯は水没していたほど
途轍もない豪雨が矢作川に流れ出したといいます。 上流には幾多のダムがあるけれど 豪雨によって数百か所で沢抜けが発生、 ダムは流木で歩いて渡れるほどだった。
いったい、なぜこんなことになったのか? 古老に尋ねると、「山に手を入れんもんで」。 放置林が増加し、ひょろひょろのスギ・ヒノキしか生えていない 森林の水源涵養機能は著しく低下していたのです。
矢作川流域にどれぐらいの放置林があるのだろうか? 驚くべきことにそうしたデータはなく、 国勢調査がなされないまま、施策がとられていました。
そこで、矢森協が1チーム8人で6班の体制をくみ 林の混み具合や植生調査を行う「森の健康診断」によって これまで400か所の放置林を調査してきた結果 およそ2/3の森林が荒れていることがわかったそうです。
その後「森の健康診断」は川・海へと引き継がれ 川・海の健康診断が始まりました。 その結果、伊勢・三河湾は貧酸素海だということもわかってきました。
広がりを見せるこれら健康診断の活動は つまるところ、どのような意味をもっているのか。 ニワケンさんは、「腹に落ちる体験」だといいます。
日本の食料自給率が4割をきったとか 耕作放棄地が何haあるとか 頭でわかっている人は多い。 でも、実際に山へ入ったり、限界集落へ行き
その実状がわかっている人は少ない。 実際に放置林に足を運んで、見てみること。 ただそれだけといえばそれだけの体験が 参加者の想像力を養い、例えば消費行動に結びつき あるいはボランティアのきっかけになる。 そこに「腹に落ちる体験」があればこそ。
シンポジウムではそんな体験をした子どもたちの発表や
流域は、そこでヒト・モノ・カネが回らないと保全できない、という意識のもと 遊休農地の解消・資源循環にむけた取組みとして 菜の花プロジェクト発表や、FSCを踏まえた「流域認証」など 流域でのアピール、そして「商い」について、様々な議論が交わされました。