炭工房輝で、山の達人にお会いしてきました!

カテゴリー:みどリレー通信, 調査研究

2009.01.23

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雪深い池田町で山の達人、内藤緑さんにお会いしてきました。 寒さが厳しくなってきましたね! こんな日に福井県の山岳地帯・池田町に足を伸ばすとは よほどの理由があります。 内藤緑さんにお会いするためです。

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内藤さんは、農業・森づくり・炭焼き・狩猟 なんでもやってしまう山の達人。 夢想塾の長崎さんもそうでしたが 炭窯など里山のエネルギー循環装置は、そこに詰め込まれた知恵があり それに携わる人は文化の発信者ないし体現者だと思います。 こうした方々に出会うことで、あたかも航海時の灯台のように 自らの位置を顧みることができ、進路を確かめることが出来ます。 今回のお話も驚くことばかりでしたが 中でも興味深かったのがマタギの話です。 ここに紹介したいと思います。 「・・・初めて熊を射止めたときのことはよく覚えているよ。 熊は一生に一度出会えばいい方というが 鉄砲を初めて数年のうちにチャンスが訪れたんだ。 実に不思議なものだったな。 山の尾根に向かえばいいものを わざわざ撃ちやすい場所に来るように 山の斜面を川縁まで降りてきたんだ。 川を挟んで熊と向かい合った。 狙い定めて一発、撃ち放した。 なぜか「この一発しかない」、「この一発で十分」という思いが 頭をよぎった。すると熊は待ちかまえたように弾に当たったんだ。 それからはもう無我夢中。犬と連れだって川を渡った。 しかし熊の姿が見えない。 辺りを見回すと、視界の彼方に黒い塊がと動いた。 息を凝らしながら、距離を保ってじりじり近づいていった。 もう一発撃ち放したときだ。 熊の目線と自分の目があった。 身体を電撃のようなものが走った。戦慄を覚えたよ。 仕留めてどれぐらい経ったろうか、 気づいたらその場に崩れ落ちていて、しばらく身体がうごかなかったなあ。 こうやって動物の生命をとるんさね。 本来みんなが食ってる肉は動物なんさね」。

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熊にしろ、猪にしろ、仕留めたらすぐに解体しなきゃいけない。 血抜きの早さで肉のうまさが決まるからだ。 腹を割いて、内蔵をガバッと取り出す。それは大変な作業だよ。

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肉・皮・肝・内臓・・・すべて食べられ余すところがない。 狩猟から想像される豪快さと、動物や食物に鋭く繊細な感性が 言葉の端々に感じられました。 生きることの原点ってこういうものだろうか。 忘れられた感覚が内藤さんの中に息づいているように感じます。 こうした生活に入ったのは、大病を患ってから。 「自分がやりたい生き方をしていくことにしたんだ」。

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蛇の抜け殻は、傷口にあてると見る間に傷がひいていく。

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白くなったオキが、凍てつくような池田の冬を暖めます。

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炭窯に案内してもらいました。

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およそ3/4の大きさの炭になります。

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動物は食物に。 木は炭に。 人は自然を手入れする。 そして人は暮らしていける。 「手入れ」って、生きることに直結することなんですね。 今の社会だと見えにくくなっていることが ここではよく見え、感じられます。 人がその中にいて暮らしてるのが環境。 環境保全の動機は外からやってくるのでなく いつも自然に働きかけている暮らしの内にある。 内藤さんはこうした忘れられつつある文化の体現者のようでした。 そして、ついこの間までは地域社会の一人ひとりが 山の文化や海の文化の体現者だったのでした。

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