第4回 土岐川・庄内川源流 森の健康診断に参加してきました!

カテゴリー:みどリレー通信, 森の健康診断, 調査研究

2008.10.23

夜も明けきらぬ福井を出発し、向かった先は岐阜県です。 土岐川・庄内川の森の健康診断に参加してきました。森の健康診断』といえば、昨年度のみどリレーでも用いた 林の混み具合や森の植生を調査する方法の一つです。 全国各地に広がっているこの活動、 誰でもできる簡易なやり方で森の現状を把握する!というもの。 今回も年齢問わず多くの参加者が集いました。 参加者は179名。 中部大学の学生さんがバッチリ脇を固め、 下流域の清須市民の皆さんもバスチャーターで参加です。

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会場は、東濃ヒノキで有名な岐阜県東濃地方。 この地方のスギやヒノキの人工林も、日本各地と事情は同じで 戦後の拡大造林によって植えられたものです。

戦時中のスギ・ヒノキは軍需品として過剰に伐採されたそうで 戦後になると建築資材として復興の必需品となり 国家的事業としてそれらの植林が推し進められました。 その結果、日本は全森林に対する41.4%の人工造林率を達成しました。 これって、世界的にも稀なことなんです。 でも今、その森林はどうなっているのでしょう。 植林したスギ・ヒノキが生長する前に質は劣っても安価な外材が大量に輸入されるようになり 国内の林業家は採算の合わない人工林を次々と放棄 荒れ果てたスギ・ヒノキ林が広がるようになってしまったのです。天然林を伐採してできた外材は、伐採・搬出コストだけですむ。 日本の人工林は材にするまでに、植林、下刈り、間伐などのコストがかかっている。 必然的に高価になってしまい、質はよくても価格競争に負けてしまう。 国土の7割が森林に覆われた国が海外から大量の木材を輸入し 自国の森林に手をつけないのはこうした事情があります。 そして放置された森林は鬱閉して光が林内に入らず、 下草もまったく生えず、雨粒の衝撃で土壌が流出するまでに。。 2000年、東海地方を集中豪雨が襲いました。 もう一時間長く降り続けば、トヨタの工場も水没していたほど それは凄まじいものでした。 上流のダムは流木で溢れ歩いて対岸へ渡れるほどだったといいます。 日本の森は一体どうなってるんだ? そして始まったのが『森の健康診断』なのでした。 さて、朝早く集合した179名の参加者は 各々グループに分かれてフィールドに向かいます。

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車はここまで、後は歩行より向かいます。

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調査フィールドまでの道すがら、自然観察サポーターさんが地域の植生を解説してくれます。

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フィールドのヒノキ林に到着すると、いよいよ『森の健康診断』がスタート。

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まずは、5m×5mの調査地をつくります。

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中部大の学生さんが調査内容ややり方を説明していきます。 今日のメニューは ・人工林の混み具合調査 ・人工林の植生調査 ・浸透能調査(緑のダム効果実験)などなど。 これらを各自手渡された調査票に書き込んでいきます。 実際の調査はというと

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これは土壌へ水が浸み込む力(浸透能)を測るところです。

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土壌表面の浸透能=洪水緩和機能と考え、浸透計(↑の円柱)内に注いだ水が 何秒で浸み込むかを測ります。結果浸透能は良好でした。

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これは土壌の落葉層と腐植層(落葉など有機物が堆積し土壌となった層)の調査。 5cm以上の腐食層です。

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植生調査では、草や低木がどれぐらい地面を覆っているか(被覆率)? 何種類あるか?を調べます。 結果、被覆率は0~20%。草の種類はゼロ。 低木はクロモジ・ヒサカキ・タカノツメ・コシアブラ・ウルシ・・・9種類ありました。

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続いて人工林の混み具合の調査です。 中心となる木(写真右の赤いテープを巻いた木)から釣り竿を使って 半径5.65mの円内に何本のヒノキがあるか調べつつ

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各々の木の直径(胸高直径)を調べていきます。 こうした作業を行い、『森の健康診断』終了です。

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ちょっと明るいところに移動して、まとめです。 今日の調査からわかったのは、この林が1900本/haの過密林だということ。 植生も乏しく、不健全な状態だということ。それゆえ間伐が必要とされていること、等でした。 今回、実際に参加してみて、様々な気づきと学びがありました。 ・まず、ヒノキ林は暗くて寒い!こと。 ・そして、確かに調査は誰でもできる簡単なものであり かつ専門的な森の見方が身につくということ。 ・また、調査後に「過密!」などの明確な「答え」が出ることは 参加者が「なるほど!」と感じる充実感をもたらすこと。 ・見ず知らずの参加者が作業を分担することで ちょっとした連帯感が生まれて調査が楽しくなること。 などなど・・・。 体験と、学びと、ちょっとためになること。 そして調査結果は研究者の資料ともなるのですから 色んな可能性をもっていると改めて感じました。 森と地域とヨソモノが出会う、開かれた窓 それが『森の健康診断』なのかもしれません。

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というわけで、調査終了~!

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フィールドを案内してくれた地元のじっちゃんと昼ご飯を食べて 集合場所に戻り解散、と相成りました!

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