「森の樂校~2015夏~ブルーベリー摘みとおやつ作り」開催しました。(2015年7月11日)
カテゴリー:みどリレー通信
2015.07.30
朝7:00。手入れされた森に差し込む日差しから、 体一杯に精を頂き「森の樂校」の始まりです。
四人も子供を授かりながら「忙しい」の一言で子供と十分に向き合うことを忘れていたように思います。気が付くと、子供たちは大人より「忙しい」日々。末っ子の次男が、かろうじて親の居場所を作ってくれているのかもしれません。今日二人で出かけた森の樂校では、子供たちの想像以上に伸び伸びと森を駆け巡る姿を見せてくれました。
まずは食材確保のためにブルーベリー畑へ!早朝集合のおかげで、涼しいうちに収穫が出来ました。太陽の光をいっぱい浴びて熟した実はとても甘く、美味しかったです。味見しながら摘むブルーベリーが、ジャムを作れるほど収穫できるか配していましたが、子供たちはしっかり者。十分な量の確保をしてくれました。
「摘んだブルーベリーは、きれいに洗って三割のお砂糖で煮詰めます。お水は入れません!」
森の樂校校長の洋子さんの大きな声で、調理が始まります。今回の「森の樂校」は化石燃料を使わず、ジャム作りやスコーン作りもすべて薪と炭を使って屋外で行いました。
ジャム作りがひと段落すると、「なばたけ農場」の地粉と搾りたての「おけら牧場」の牛乳を使い、ダッチオーブンで焼くスコーンづくりが始まりました。スタッフのみゆきちゃんは、農家に育ち農家に嫁ぎ、誰よりも食材選びに気を配ってくれて、一つ一つ丁寧に説明してくれます。物語のある食材はまたひと味美味しくなります。すると、スコーン作りをしながら代わる代わる子供達がブルーベリージャムを作っている鍋を覗き込みに来てくれます。熱い鍋に触らないよう木しゃくをそっと回し「おいしくな~れ」の掛け声をかけて、また次の場所へと飛んで行きます。
一方では、スイカ割りも始まります。
洋子さんの友人が、育ちすぎて売り物にならないスイカを牛のエサ用に、たくさん持ってきてくれました。お蔭で十分なスイカ割りが楽しめます。スイカ割りの順番は子供たちの中でケンカもせず決まっていました。強いもの順なのか早いもの順なのか小さい者順なのか・・・。大人の口出す所ではございません。目隠しをしたお友達を他のお友達が「右右、左 もう一歩前」などと言いって誘導しています。そこにはスイカ割りを通しての子供社会が出来ていました。
カラスが突いて穴の開いたスイカを見つけた子が「ここにストローを刺したらスイカジュースや」と、カラスのお陰で、贅沢なスイカジュースの発想まで生まれます。綺麗に割れたスイカは、ナイフの使い方を習いながらバターナイフで真ん中をくり抜き食べてみます。「甘い~」どうやら食事用に準備されたスイカより甘く感じる様子です。残りのスイカは鶏や牛の餌へと皆で運びました。
「鶏の卵取りたい」と子供たちが言い出しました。取った卵は一人一人名前やマークをいれて箱の中に収めていきます。すると、小さな女の子が自分の卵がないと泣き出しました。今日は朝早くから お兄ちゃんやお姉ちゃんと一緒になりブルーベリー積みやスコーン作り・・・と、全部を一人前にこなしてきたのですから、今日は我慢の必要はありません!頑張ってきた分悔しさも増すのは当然の事。私が卵を差し出すと、女の子はすぐに笑顔になりました。私泣いている暇なんてないわ!と言わんばかり~。そうです、すでに他のお友達は、虫かごやタモをもって、次は森の探検に走り出していました。
「蝉の鳴き声がしたの、蝉がいるはず」と蝉を探す子供や、ちょうちょを追いかける子供。採った虫をかごに入れるのにも一苦労です。手入れされたラーバンの森の中で走り回る子供たちの姿は、映画のワンシーンに出てきそうです。そして最後には、日中にも関わらず希少なノコギリクワガタを一匹見つける事が出来、子供も大人も大はしゃぎです。虫を飼いたい気持ちと、自然に返した方が良いのかと、ここで自然に触れながら子供たちは悩みます。
「この子供たちが、いつか先生となって森にやってきてくれることでしょう・・・」英さん先生と洋子さん校長のご挨拶で終校となりました。大人からは、「ここにテントを張り、夜、星の観察会ができたら~」こんなリクエストもありました。
私は、半日子供と自然と過ごすことが、こんなに疲れるものかと感じながらログハウスに戻ると、今朝のブルーベリーやジャムは皆が持ち帰れるように用意されていました。辺りも片づけられていて、どうやらスタッフの方がしてくれたようです。
親子三世代が地域三世代、四世代へ、それぞれの世代に甘えたり甘えられたりして、多くの人との繋がりが子供を育ててくれることにも気づきました。
今、私たちが子供と一緒に自然に触れる体験を重ねる事で、いつか子供たちは先生(リーダー)に成長し、また私たちは、森の手入れをしたり住みやすい環境作りをする人へと進化していくのかもしれません。自然に触れる「森の樂校」を通しての学びは、まだまだこれからも続きます。そしてそこには、夢がいっぱいでした。
(文:奥村智代)
参加者からの言葉
5歳と2歳の娘と森の学校に参加すること4回目。子供たちも虫が怖い、蜘蛛が嫌だと森や動物、植物と恐る恐る触れ合っていたものの、今では自分から色んなものを手に取り、好奇心が芽生えてきました。「森の学校」を通してこの素晴らしい環境を与えてもらえたことにとても感謝しています。
今回も色々な気づきがありました。参加者が牛に食べ残したスイカをあげていた時のこと。主催者竹内さんのお嬢ちゃんのゆいかちゃんが誰に言われることなく、スイカにわらを載せて牛にあげていました。きっと普段お手伝いをして見聞きしていることが自然と現れたのでしょう。あぁ、ここでは幼いゆいかちゃんが私たちの先生なのだ。森の学校に参加する意義を改めて感じた瞬間でした。
特別に鶏小屋から卵を一人ひとつずつ採らせてもらいました。うっかり落として割ってしまう子もいましたが表情には自分に対する悔しさや、鶏への申し訳なさが表れていました。誰もその子を責めることはなかったけれど、自分で大切なことを学べたと思います。 (倉橋)
森の樂校に参加した、岡島です。岡島喜謙(父)、愛(母)、彩乃(5歳)、春香(3歳)の家族です。うちは父の視力がとても低く、彼の安全と子どもたちの安全を考えて今まで自然の中に出かけるのを躊躇していました。右目が0.01で左目はほぼきかず、視野の左側が欠けていて、曇りガラスごしに見ている感じだそうです。
今回はブルーベリー畑と牧場におじゃまさせてもらえる、とのことで参加しました。思いのほか沢山の経験ができて、山の中を走る子どもを見てとてもびっくりしました。着いてすぐの森の中のブランコで子どもたちはハートを捕らえられ、親たちは緑の中に差し込む光を浴びてすっかり別世界に入ってしまったようになりました。
ブルーベリー畑に行くのにトラックの荷台に乗せてもらったのも嬉しかったようです。ブルーベリーが低いところまで実をつけていたので、春香も沢山摘むことができ、お鍋いっぱいのベリーがいい香りをさせてジャムになっていくところを見るのもわくわくしていました。
彩乃の乳アレルギーに配慮していただいて、バターを使わないスコーン生地を用意していただきありがとうございました。生地に触らなかったので、ダッチオーブンに入れるところも見たかったようです。焼きたてのスコーンもジャムも美味しかったです。
スイカ割りは、子どもたちは見るのも初めて。お兄ちゃんお姉ちゃんに誘導してもらって、ちょっと誇らしげに帰ってきたのが面白かったです。実の真ん中の部分をもらって、全身でスイカを満喫してました。
鶏と牛にも人生で再接近し、春香はこわごわ、彩乃は興味津々でスイカをあげました。牛さんがスイカを食べるなんて、しかも皮ごと、と私もびっくりしました。お友達のするのを見て、3歳児もスイカに干し草をそえて牛に差し出してみてました。
森に入って木の見分け方の本を使っての木の話も大人には面白かったです。子どもたちは虫取り網とおしゃれなかごでテンションがあがり、慎重派と思っていた彩乃が斜面を走っていたのが本当に意外でした。そして普段はハエに悲鳴をあげる春香がバッタを捕まえ、うちに帰ってからもずっと「バッタつかまえたねー」と話しています。
二人とも今まで知らなかった横顔をたくさん見せてくれました。父は盲学校の学生さんたちに、普段と違う体験をしてもらうヒントをもらったそうです。お土産にいただいたブルーベリーもうちでジャムにしていただきました。心もお腹も森の色に染まったようでした。 (岡島)
一昨年からスタッフとして一緒に企画したり準備したり、子供達と参加させていただいている吉村です。
今回の森の樂校は7時集合と言う事で、初めての試みでしたが、思いがけない暑さだったので涼しい時間帯にブルーベリーの摘み取りができて良かったなと思います。
今回は森の樂校校長洋子さんの計らいで、予定していたジャム作りやスコーン作り以外にも、スイカ割りや牛や鶏たちとの触れ合い、また子供達から出た意見で森の散策や虫とりができて、本当に盛りだくさんでした!
我が家の子供達は、何度か森の樂校を通して、ラーバンの森に訪れるうちに、「また牛を見に行きたい!」とか、「ブランコしに行こう!」とか「ヤマモモ採りに行きたい!」とかここでの体験が記憶にしっかり残っていて、今回も「森の樂校しないの?」と聞くほど、森での体験がしっかり残っているんだな~と感じます。
こうした季節ごとの森の変化や旬の食材を感じられるような体験を、子供達の成長とともに展開していけたらいいなと思っています。
暑い中皆さんお疲れ様でした!
(吉村)
自分の娘にこんな体験させてあげたいと、「森の樂校」を始めてもう五回目。今回も妻は途中から仕事、私は段取りや片付けで娘とずっと一緒にいる事が出来ませんでした。気付くと、娘は「お家に帰る」と行ってしまった。やりたくない、面白くないわけではなく寂しかったのだと思います・・・・。
しかし途中まで、お友達について行って遊んだり、手をつないでニワトリ小屋に卵を取りに行った姿はとてもほほえましく、たくましくも見えました。親子で体験・学習する部分と、逆に子供達だけで考えて遊べる時間もあったらいいなあと思いました。大きい子が小さい子を面倒見たり、大きい子たちをみて小さい子があこがれる様な子供社会もとても大切だと思います。
私が子供の頃は近所に「駄菓子屋」があり、小学生から高校生くらいまでが同じ空間に存在し、情報交換の場、子供社会の構築の場として、人との接し方、小遣いの使い方など多く学びました。
「森の樂校~子供が考える子供だけの企画」、その間に、手の空いた親達は準備や片付け、そしてのんびりとお茶しながらわが子の成長を眺めましょう!?
(竹内)