ナホトカ号重油流出事故から10年-三国湊型環境教育モデル構築・普及活動-

活動レポート 第3回「森をつくる人になろう!」

2008.03.10  by

  • 日時:2008年3月8日(土)13:30~17:00
  • 場所:枯れたマツの伐倒跡地/コナラを中心とした雑木林
  • 講師:井上重紀氏(樹木医)/平山亜希子氏(福井県自然保護センター)/清水夢樹氏(清水植物園)     
    稲葉充利氏/中田敏博氏/(有)PTP

「調査」・「計画」とステップを踏んできた「三国湊 緑のリレープロジェクト」。第3回目は「実行」に移りまし た。前回作成した「森づくりプラン」にしたがい、枯れマツ伐倒跡地に三国で採取した種から育てた「トベラ、シロダモ、ヤマザクラ」の苗木を植樹し、コナラ を中心とした雑木林で枯れマツの伐倒とササの下刈りを行いました。

「ずっと木を植 えたいと思ってた」。「大きくなるのが楽しみだね」。みんなわくわく心待ちにしていた植樹。玉切りにしたマツを運び出す力仕事。林のゴミを探して集める仕 事。それぞれができることを頑張った手入れ。みんなでつくる森は愛着もひとしおです。「これからも、こんな風に続けていきたいね」。そんな活動をして、 もっともっと三国が好きになっていく。これまで3回続けた活動は、つまるところこの点に収斂されるのかもしれません。へとへとになってついた帰途、何だか 充実した気持ちに包まれていました。

今回も天候に恵まれた絶好の活動日和。東尋坊に集合しました!今日は植樹をしてから下刈りを行うスケジュールです。参加者の皆さんが植樹地へ向かうなか、森づくりボランティアの方々に下刈りするコナラ林で朝から枯れマツを伐倒していただきました。


マツの倒れる方向を慎重に見極めてチェーンソーを入れます。

「真ん中に近い部分は、年輪幅が空いているでしょ?これは周りに木がなかったから成長できたあかし。きちんと手入れされていたんやね。」
年輪からこれまでの森づくりがわかるなんて!

木を植えよう!

植樹するのは、海のみえるところ。
海岸側からトベラ・シロダモ・ヤマザクラの順に植樹します。

●今回植えるのはどんな木?これからどんな森になるの?平山先生に解説いただきました!
トベラの花が咲くと、鯛が獲れる季節です(そこで三国では鯛花と呼ばれています)。大きくなって3mほど。ヒヨドリがやってきて実を食べます。
シロダモは、第1回目の調査からお馴染みの木ですね。葉を千切るといい香りがします。開花と同じ頃に赤く熟した実がつきます。なぜだかわかりますか?花が 咲いた一年後に実がなるからです。ヒヨドリ、ツグミが食べるこの実から、油をとりだし蝋をつくっていた地方もあるようです。高さ10-15mになります。
ヤマザクラは、4月半ばぐらいに咲き、6月頃に実が熟します。食べても甘くないですが、ハト類、ツグミ類、ムクドリ、アオゲラ、ヒヨドリ、アトリ、カラス等が食べます。高さは15-20mほどに。
こんな海の近くに植樹して大丈夫かというと、大丈夫なんです。風に負けないように、低い木を一番海側に、中くらいの木を中側に、高い木を内側に植えます。すると強い風が来ても一緒に倒れたりすることはないわけですね。
今後どういう風に成長するかというと・・・5年後には、みなさんの背丈よりちょっと大きくなります。そして実をつけだします。実をつけると鳥がやって来ま すね。色んな鳥が実を食んでは余所へ飛んでいき、また余所からも実を運んできます。鳥のふんのなかに、実の硬い部分が消化されずに残っているので、他の森 の種を運んでくる役割を果たします。15年ぐらい経てば、森は実に様々な木で構成されるようになります。

参加者のみなさん

●どうやって植樹するのでしょう?清水先生に解説いただきました!

まずは落ち葉などを手で除いたり、スコップで取ってください。まだ有機質を多く含む落ち葉は、土の中で発酵すると熱をもつので根に良くないのです。
ポット苗の場合、土を地面と同じ高さにして、根が地表から出て乾かないように植えてください。ポットより一回り大きい穴を堀り、両手いっぱいくらいの肥料 と土をよくかき混ぜて、埋め戻します。そのときに掘った土をほぐしてください。硬い土だと、塊と塊の間に隙間ができます。そうすると根が伸びにくいんです ね。それに菌も発生しやすくなります。常緑樹なので、時期的に植樹はちょっと早いですが、根をほぐして植樹してください。

そして腐葉土を混ぜます。軽く抑えてまっすぐ幹がたつよう植えてください。
サクラの根は大切に扱ってくださいね。根は一方向に固まらないよう四方に広げましょう。

添え木をします。杉皮の代わりを巻いて、ヤマザクラの樹皮が痛まないように。

さあ、作業開始です!


「育った姿が愉しみですね。」


「植樹したいってお母さんにいって一緒に来ました。」


トベラ(左)と、シロダモ(右)

いつの日か、春の訪れがみんなを誘う森になることを願って。

手入れの番です!

森づくりボランティアの方々に安全な作業を講師していただき、それぞれの仕事に取り掛かりました。

背丈まであるササを草刈機で、ヤブになる植物を鎌で刈っていきます。

「あったよ!」林のなかにはこんなゴミも。

玉切りにしたマツや落ち枝の搬出はとっても大変でした!
みんなで汗して作業して、気がつけば日が暮れかけていました。


左:以前の林(昨年秋)。 右:作業後、広くなった林内。

皆さん、本当にお疲れさまでした!そして、ありがとうございました!
「森の健康診断」、「森づくりプラン」とステップを踏んできた「三国湊 緑のリレープ ロジェクト」。
今回はみんなで森をつくる人になりました。「帰ったらビールがうまいぞ!」なんて声も聞かれ、へとへとになっても、何だか充実した気持ちよ さがありますね。まだまだ小さな歩みでも、あしあと続けていきましょう。
そして子どもから大人まで、人だけでなく他の生きものも賑わう里山が、三国の未来 にリレーされていきますように。

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