10月の森の勉強会「樹木医からみた森の世界」開催しました

カテゴリー:みどリレー通信, 勉強会

2009.11.06

今回の森の勉強会は樹木医の今井三千穂先生のお話です。 樹木医についてのお話と樹木医からみた福井の森の話を聞きました。

○樹木医とはどんな仕事か?

文化財とも言うべき巨樹・巨木などの貴重木を保護する専門技術者の養成を目的に林野庁の国庫事業として、平成3年に創設され、現在は日本全国1800名の樹木医が活躍しています。 福井県の樹木医は10名。(これはチャンス?!) やりがいのある仕事なので興味のある人はぜひチャレンジしてみてください。

○樹木医からみた日本の森。

日本の森はモンスーン地帯にあり、四季がはっきりしています。 そのため森は季節ごとに衣替えをしてくれるので、日本の森は美しい。 しかし、人間の生活している里山付近は、スギに囲まれすぎているため、里山の季節感が失われています。

○樹木医から見た福井の森の現状。

福井の問題点:これまで仕立てたスギ人工林の間伐などの管理が十分でない。 苦労して育てたスギが安い。 伐採が進まない。 林業従事者の高齢化。 福井材の需要拡大を図ることがこれからのキーワードになってくる。

○現代の里山に求められる役割・可能性

里山の生態系の回復と利用を図ることが必要になるでしょう。 かつて里山は薪や木炭など燃料を得るための生活活動範囲であった。 ガス化・電気化することで現在の日本の多くの里山フィールドが野放し・ブッシュ化している。 人が入っていけない状態は動物が住む環境としてもいい場所ではない。 里山は人間だけの場でなく、動物もある程度生息できる環境になりうる場所。 ヨーロッパの公園で昼寝をしているとリスやウサギがやってきたり、鳥が飛んでいたり、ムササビがいて、居心地がいい空間になっている。 これは小動物の餌となる虫や木の実があり、それを支える土や微生物がしっかり活動し、森全体の生態系が安定しているからである。 生態系(ecosystem)がしっかりしていて安定している森は、いろんな生物が共生できる環境となる。 里山には人間を含めた生態系を豊かにできる可能性がある。

○森や木との付き合い方

森を構成する樹木群は年々生長量を蓄えてくれますので、その生長量分(あるいは必要分)だけ使うような付き合い方が大切。 そのためには樹木の種類ごとの陽性・陰性などの特徴を知ることです。 また森を構成する樹木の種類が安定してバランスよく増えるような管理の仕方が重要。 絶滅の危機にさらされている種がある場合には、それだけ保護するのではなく、他種をも含めた広い生育環境を保全することが大切ではないか。 樹木医の話、福井の林業の話やナホトカ号の松への影響の実験をおこなったこと、様々な虫や植物・動物の名前が次々溢れてくる話に耳を傾けた2時間。 木の知識だけではなく、生態系、林業、木の性質、森と人との関わり、地球との関わりを含めた幅広い視点での話でした。 木という窓から世界を覗いてみるとこんな世界が広がっているのか、と感じた時間でした。 知らないことが多すぎて、もっと勉強したいな、勉強しなきゃ!と思いました。

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